「パニックが起きた原因を探る」

「パニックが起きた原因を探る」

自閉症とパニックに関係するお話しの5回目です。
今日は、パニックをなくすためのヒントをお話しします。

自閉症の人が、パニックになった時に、
支援者の人にとっては、
「突然なった」
「何もないのになった」
「私はちゃんと支援をしていたのになった」など、
火のないところに煙が立ったようなイメージで、
パニックになった人が
いかにも「悪者だ」というような
表現をする支援者が多くいます。

実際は何かがあったために
急に行動が変わったのですが、
支援者にとっては、
その「何か」がイメージできず、
急にいきなり起きたと思い、
とっさに思い浮かべられないのでしょう。

また、そのパニックの内容から、
支援者自身が、悪くないと思いがちなのでしょう。

でも、必ず原因があります。

支援者がわからないだけではなく、
パニックを起こしたご本人も、
原因がこれだ!とは言えないかもしれません。

でも、明らかに原因はあるのです。

さて、私がここまで原因のお話をするのは、
パニックをなくすためには、
その「原因」に着目をしていただきたいからです。

つまり、その原因を省けば、
パニックにはならないという論理です。

そのためにも原因を確定することが
支援者に求められますので、
まずは、原因をつかむことに
慣れていきたいものですし、
原因をつくらないような支援もまた、
求められているのです。

では、
原因をつかむには何をすればよいのか?
こんな方法で原因探しをしてみましょう。

(1)パニックになる前に着目
かならず、パニックの前に原因があります。
直前ではない可能性もありますが、
直前から見つけていきましょう。

支援者にとっては、
大したことがないと
思うようなことでも、
変化に弱いとか、
情報をうまくとることができない自閉症の人にとっては、
苦痛や不安だった可能性があります。

また、パニックが起きた直後の
支援者の対応の仕方によって、
もっと大きなパニックに
なることもあります。

(2)様々な人と原因を考える
あなただけで考えるのではなく、
いろいろな人と考えてみましょう。
例えば家族であれば、
親だけで考えるのではなく、
その子の兄弟と一緒に考えたり、
また、家で起きたパニックであっても、
支援職員にお話ししてもよいのです。

男性トイレの中でパニックがあった場合など、
女性にはわからないというようなことではなく、
その人の想像の中で
原因を探っていくと、
見つかる場合もありますので、
先ほども書いたように様々な立場の人と原因を
つかんでいくことです。

(3)原因はたくさん考え、まず1つを仮説とします
原因は1つだけではなく、
いくつも考えてみましょう。
その中の1つが、
原因であると仮定し、
それが原因だったら、どんな支援が必要か?と考えます。

たとえば、先ほどのトイレのパニックの場合、
ズボンのファスナーが開けにくいためのパニックと、
一緒にいた人が、話しかけたからというパニックでは
支援の方法が変わってきます。

このように仮説というのは、
本当のところわからないまでも、
この原因だったら、何の支援を入れるか?と
考える原点になるのです。

そして、これと思った原因への支援をし、
それでもパニックが収まらない場合は、
また別の仮説原因に対しての支援を考える
といった感じです。

ここで、支援者が間違ってしまうのは、
原因探しの時に、
わからない・むずかしいと
気持ちをマイナス方向に持って行くことです。

ここは、
とりあえずやっていこう!という
ポジティブ思考で
支援をすることです。

原因を探し、
原因をなくすための支援を入れることで、
ご本人の苦痛や不安を減らし、
パニックを回避していきましょう!

執筆者プロフィール

山田 由美子(福祉屋あおい)

石川県金沢市生まれ。
淑徳大学社会福祉学部卒業後、知的障害者施設職員となり、利用者の人から「ありがとう」と言われたことから、一生の仕事とすることに決める。
知的障害・自閉症の人たちの幸せを願い、「特定非営利活動法人サポートひろがり」代表として、全国の支援者の相談を受け、ブログ・セミナー等で発信し、コンサルティングなど支援者の支援を行っている。
なお、神奈川県川崎市で障害者支援施設も経営している。

山田由美子
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