「支援力を高め、虐待をなくす」

「支援力を高め、虐待をなくす」

自閉症とパニックに関係するお話しの4回目です。
今日は、行動障害と虐待の関係をお話しします。

自閉症の人は、必要な情報を取る時に
ご本人にとって理解しにくい場合、
障害が起きている状態になります。

・複数の音が一度に聞こえ、うるさい
・見えるものや聞こえるものが多すぎる
・相手の話している言葉の意味がわからない など、
情報を取る際に障害がある状況なので、
その人が行動をするときにも障害が
発生するのです。(行動障害)

行動障害の人は、困っている状況の
訴え方もわからず、
パニックとなる事があり、
周りに影響が出てしまい、
周りが困っていることのほうが
注目されやすくなるのもまた、
この障害の特徴です。

自閉症の人が困った時に出る行動が、
社会的に見ても良くないものだと考える
ご家族や支援者も多く、
何とかしなければならないと
思い込む支援者も多くいます。

何とかしなければならないというホコ先は、
ご本人を取り巻く環境の改善や
ご本人に合わせたコミュニケーションへの
変更をするのではなく、
表面的にあるその人の行動を
何とかしようと思ってしまうことも多いことから、
行動障害がある人が、
SOSを出しているのにもかかわらず、
止めようとしたり、
正そうとしたり、ということで、
ご本人に接近することも多くあります。

支援者が接近すれば、
他害(他者を傷つける)での
SOS表現となることもあります。

そのため、
何とかしようと思って近づいた支援者が、
・叩く
・暴言を吐く
・部屋にカギを閉める などの
行為になることもあります。

支援者は一生懸命です。
何とかしなければならないと思っています。
だからこそ、支援者は、
自分自身が虐待をしているとは思えません。
その人を正すことで精いっぱいで、
自分は一生懸命にやっていると思い込みます。

自分が何とかしなければ、
この人は社会から
受け入れられなくなるかもしれないと
考えることにつながります。

社会に基準を合わせ、
目の前の自閉症の人が
社会に受け入れられることを目指し、
その人に叩くなどをしてしまう訳です。

パニックになった時には、
大きな力を出す人も多くいるので、
支援者自身が身の危険を感じることもあり、
同じように痛みをわからせるという形で、
叩いたりしながら、
教えようとしている人もいます。

このように、虐待は、
接近すればするほど起きやすくなるのです。

また、虐待は、
支援者自身が、
社会に合わせ、
何とかしなければならないと
思い込めば思い込むほど、
起きやすくもなるのです。

今までも、
様々な虐待が起きていますが、
中には死亡事故もありました。
親による児童虐待での死亡事故は、
自閉症だけではないものも含めて、
1週間に一人の割合となっています。

このような経緯で、
虐待をしてしまっているにもかかわらず、
支援だと思い込み、
長く続くことも特徴となっています。

もちろん、ご本人から、
虐待を受けているという訴えは、
ほとんどありません。
通報の仕方を知らない人も多くいるからです。

まとめると下記のような関係性の中で、
虐待が行われるのです。

自閉症の人にとって障害を軽減する支援ではない
   ↓
パニックが起きる
   ↓
止めようとして、支援者が虐待をする
   ↓
(死亡事故)

実は、国内の障害者虐待数の一位が、
行動障害の人への虐待となっています。

ですから、支援をする側が、
虐待に繋げたくなければ、
パニックにならない支援方法を手に入れるべきなのです

もちろんそれは、
支援が行き届いた状態になっていきますので、
自閉症の人には、心地よい生活になるのです。

これからも虐待を続けますか?
それとも、
虐待につながらない、
支援をめざしますか?

虐待は支援の力で防げます。
支援力を高め、
自閉症の人と関わっていきましょう!

執筆者プロフィール

山田 由美子(福祉屋あおい)

石川県金沢市生まれ。
淑徳大学社会福祉学部卒業後、知的障害者施設職員となり、利用者の人から「ありがとう」と言われたことから、一生の仕事とすることに決める。
知的障害・自閉症の人たちの幸せを願い、「特定非営利活動法人サポートひろがり」代表として、全国の支援者の相談を受け、ブログ・セミナー等で発信し、コンサルティングなど支援者の支援を行っている。
なお、神奈川県川崎市で障害者支援施設も経営している。

山田由美子
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