「自閉症とパニック~事前(予防)に目を向ける」

「自閉症とパニック~事前(予防)に目を向ける」

前回、「パニックはSOSである」という
お話をしました。

自閉症の人は、何か困ったことがあると、
その表現として、
パニックになるというイメージを
持っていただけたのでは
ないかと思います。

さて、イメージではわかったとしても、
SOSを解決するために、
どうすればよいのかとなると、
わからない方も
多くいらっしゃるのではないでしょうか?

パニックにならないような支援ができずに、
実際にパニックが起きてしまう事も
しばしばだと思われます。

パニックには、
様々な種類があります。
特に他害や破壊行為は、
相手や対象物があり、
その人や物に向かって、
普段では出さないような大きな力で、
向かっていくようなイメージです。

そのため、パニックになったと同時に、
対象とされた人が、大けがをしたり、
ものが破壊されたり、
それらの行為のために、
ご本人が大けがをすることもあるのです。

「どうやればパニックが止まるのですか?」
という問い合わせも
続いています。

パニックになるからこそ、
止めたいと思われるのでしょうけれど、
何事もなく終わるものではないことが
おわかりになるのではないでしょうか?

そして、パニックになってから、
どう対処しようかという考え方だけでいるのは、
まちがいだといっても過言ではないのです。

パニックの後に
なんとかすることを続けているだけでは、
実は、支援者本意の考え方だからです。

パニックは、
先ほども申しあげました通り、
「困っているよ」のサインです。

障害があるところに、
よりよき支援が入らず、
ご本人が困ったり、嫌な気持ちになり、
パニックになるわけですから、
支援者側の支援でパニックになる前に
その原因である障害を取り除く、
支援をするべきなのです。

自閉症の人は、
急な変化や考えにくい状態に
困ったり、
嫌なことと感じ、
パニックになりやすいのです。

嫌なことが起きるというのは、
支援がうまくいっていない状態ですから、
そこを改善することで、
パニックにならない支援が展開できます。

つまり、パニックにならないように
予防をするという考え方なのです。

予防という観点での支援に目を向けられる
支援者になることができれば、
自閉症の人がパニックになることを、
減少させたり、
支援方法によっては、
パニックがなくなることにもつながります。

パニックが起きてからではなく、
起きないように。

そして、嫌なことが起きても、
ご自身で対処できるようになる支援もあります。

そのような視点を持って、
支援をしていくことをお勧めします。

パニックになってからではなく、
ならないように対処することですが、
まだ、慣れないうちは、
パニックが起きた時に、
「なぜ起きたのか」という視点を持ってみましょう。

事前にヒントがあるからです。

何でパニックになったのか、
必ず原因があると思って
さまざまな視点を持って
見つけ出してください。

そして、自分一人だけではなく、
他の人と協力し合って、
見つけ出すこともお勧めします。

自閉症の人の嫌なことを
探っていけば、状況の変化や、
嫌いなことの出現などの、
原因をつかむことができます。

すると、その原因をなくすために
支援者が何をすればよいかが、
わかってきます。

予防をするという観点は、
障害を取り除き、
彼らの生活のしやすさや考えやすさ、
そして、安心感につながります。

私たち支援者にできることは、
まだまだあるのです。

パニックになって、
一番つらいのは
自閉症の彼らなのだと理解しましょう。
そして、原因をつかみ対処することも
支援と捉えてみてください。

なお、支援者とは、
彼らに寄り添う人たちのことです。
施設の職員やご家族、
教員、医者、
ご近所の方なども入ります。

執筆者プロフィール

山田 由美子(福祉屋あおい)

石川県金沢市生まれ。
淑徳大学社会福祉学部卒業後、知的障害者施設職員となり、利用者の人から「ありがとう」と言われたことから、一生の仕事とすることに決める。
知的障害・自閉症の人たちの幸せを願い、「特定非営利活動法人サポートひろがり」代表として、全国の支援者の相談を受け、ブログ・セミナー等で発信し、コンサルティングなど支援者の支援を行っている。
なお、神奈川県川崎市で障害者支援施設も経営している。

山田由美子
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