「自閉症の人のパニックはSOSである」

自閉症の人が、パニックになることがあります。

自傷・他害・破壊・走りだし・大声・異食・泣きだしなど
他者から見たら、
社会的にも許されない行為に
見えることでしょう。

これらの行動が、
社会の迷惑と考え、
今すぐ、止めなければならないと考える
支援者も多くいます。

さて、私が捉える支援者とは、
彼らの周りに寄り添う人たちのことです。

施設の職員などは、
職業的支援者ともいいます。

家族も入りますし、
ボランティアも入ります。

ところで、自閉症の彼らは、
なぜパニックを起こすのでしょうか?

実は、なぜ起きているのかも
わからない支援者も多いのです。

「急になった」
「何もしていないのに」

そう言う支援者が多くいますが、
人というのは、
行動する時には、
何らかの理由があるのです。

その理由が、
そばにいる支援者にも
わかりにくく、
なぜ起きているのかわからないのです。

ましてや、
そういうことを喜んでしているよう
見える人もいるため、
支援者たちは、
彼らが悪いことをしていると、
誤解をしてしまうのです。

すると、
「何とかしてやめさせなければならない」
「悪いことをしているから怒ったほうがよいだろう」
と思い、やめさせようと必死になります。

実は、自閉症の人が
何かしているときに、
「障害」があったのです。

「困ったよー」
「わからないよー」
「いやだよー」

それを訴えようと自分のできる表現方法で、
訴えているにもかかわらず、
支援者たちは、
障害を取り除くどころか、
「訴え」をやめさせようと、
間違った対応をするのです。

私たち支援者は、
考え違いを訂正しなければなりません。

パニックは、
彼らのSOSだという認識を
持つべきなのです。

どうして、そうだと
わかるのでしょうか?

それは、
何も彼らに困ったことや嫌なことがなければ
パニックにならない人たちだからです。

つまり、
パニックはSOSの表現方法なのです。

ですから、
私たちが認識を変えるべきなのです。

もし、
あなたが、彼らのパニックでお困りであれば、
その時、彼らは、
あなたよりも困っているのです。

だから、私たち支援者は、
彼らが困らないような支援を
提供するべきなのです。

パニックにならないための支援は、
様々な方法があり、
その方法を支援者が身につければ、
今あるパニックは
激減し、
彼らも安心した生活を送ることが出来ますし、
もちろん、
支援者も、安心できるのです。

彼ら一人一人の
嫌なことや困ることは、
違いますが、
大まかに言うと、
彼らにとっての環境や情報が、
彼らにわかりにくく、
彼らに合っていないのです。

今一度、
彼らにわかりやすく、
困らないような、
情報や環境の提供をしていきましょう。

例えば、彼らは、1秒先の将来から、
何が起きるかわからないと
不安になることがあります。

子供の泣き声が嫌いでも、
そこからの離れ方がわからず、
パニックになることがあります。

作業のやり方の指示が、
支援者によって違うために、
混乱をして、パニックになることがあります。

同じものでも、
自分がいる場所が違うと、
全然違うものに見えてしまう人もいます。

支援者が、話す言葉が、具体的ではなく、
わからなくなることもあります。

学校の行事がどんどん変わるので、
ついていけない場合もあります。

こういった、
情報や環境を
彼らにわかりやすくすることで、
パニックは減っていきます。

つまり、
情報のわかりにくさや
環境で彼らにわかりにくいことなどが、
彼らの「障害」であり、
それぞれの自閉症の人に合った
支援を入れることで、
彼らの障害を
ひとつでも減らせるのです。

彼らがパニックにならないような支援に心がけ、
わかりやすくなることで得られる
穏やかな生活や、
彼らの安心感につなげましょう!

執筆者プロフィール

山田 由美子(福祉屋あおい)

石川県金沢市生まれ。
淑徳大学社会福祉学部卒業後、知的障害者施設職員となり、利用者の人から「ありがとう」と言われたことから、一生の仕事とすることに決める。
知的障害・自閉症の人たちの幸せを願い、「特定非営利活動法人サポートひろがり」代表として、全国の支援者の相談を受け、ブログ・セミナー等で発信し、コンサルティングなど支援者の支援を行っている。
なお、神奈川県川崎市で障害者支援施設も経営している。

山田由美子
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