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発達障害 気分が落ちているときにやってはいけないこと3つ

2021.10.12

発達障害傾向のある方は、その生きづらさから、うつ病や双極性障害など二次障害を引き起こす可能性があります。今まで取材してきた発達障害当事者の実に9割が何らかの二次障害を引き起こしていました。

かく言う私も、発達障害の二次障害で双極性障害と摂食障害を患っているうちの一人です。双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す、一昔前は躁うつ病と呼ばれていた障害です。うつ状態のときはほぼ寝たきりになり、何もやる気がおきません。そんなとき、少しでも気分を上げたくなるのが普通でしょう。

私もいろいろ試しましたが、まずはやってみて逆効果だったことを3つほどご紹介します。

■お酒を飲む

私は元々お酒が大好きです。なので、お酒を飲んだら気分が良くなるのではないかと、うつ状態のときに一人でお酒を飲んでみたことがあります。結果、気分が良くなるどころか孤独感が募り希死念慮まで湧いてしまいました。

中にはお酒を飲むことで嫌なことを忘れられるという方もいるかもしれませんが、それが常習化するとアルコール依存症を引き起こす危険性があります。お酒は気分が良いときに飲むに限ります。今はコロナ禍で難しいですが、仲の良い友人たちと楽しく飲むお酒が一番おいしいですよ。

■思い切って外出する

うつ状態になっていると、友人たちから「思い切って出かけてみようよ!」と買い物やテーマパークなどに連れ出されるかもしれません。しかし、うつ状態のときはエネルギーがゼロになっています。充電が切れた携帯電話と同じ状況です。そんな中外出なんてしたら、楽しむどころか余計動けなくなってしまいます。外出するのは体と心の充電に余裕ができてからにしたほうが賢明です。

■SNSに入り浸る

今やほとんどの人がSNSを利用している時代。いろんな人の意見や楽しそうな投稿、ニュースなどをSNSでチェックする人もいるでしょう。しかし、気分が落ちているときにSNSを見すぎると、どこかに出かけて美味しそうなものを食べている楽しそうな投稿に嫉妬してしまったり、社会問題のニュースについ熱が入って衝動的に力説してしまったりと、いわゆる炎上に繋がりかねません。特に楽しそうな投稿はキラキラして見えるもの。気分が落ちて誰からも認められていないような卑屈な気持ちになってしまいがちです。気分に波のある人はSNSとうまい距離感を持って付き合わないと障害や特性が悪化してしまいます。

 

続いて、気分が落ちているときにやってみて意外と効果的だったことを3つご紹介します。

■とにかく体を休める

体と心の充電が切れているときはとにかく寝て体を休めることが重要です。眠れなくても体を横にしているだけでも全然違います。しっかり休んで心身ともに充電してから外出したりお酒を飲んだりしましょう。

■キツいときは頓服薬を飲む

当たり前のようですが、しんどいときは安定剤などの頓服薬を飲みましょう。薬を飲むとやめられなくなるという恐怖心がある方もいるかもしれませんが、どうしようもないときは薬に頼りましょう。ただし、薬の飲み方や量は医師や薬剤師の言うことに従ってください。

■漫画やアニメを見る

本を読む集中力はなくても、漫画やアニメなら気分が落ちているときでも見られる人は多いのではないでしょうか。内容はぼーっと見ていても刺激的にならないものがオススメです。

個人的にはゆるい癒やし系のショートストーリーのものがいいのではないかと思っています。例を挙げると先日大流行した1話3分ほどのアニメ「PUI PUIモルカー」なんてどうでしょう。今はAmazon Prime videoやNetflixなど、月額制で見放題のツールがあるのでそれを活用してみるのもいいと思います。

発達障害や精神障害がない人でも落ち込むことはあります。もし、気分が落ち込んだときは上記の内容を参考にしてもらえると、少しスッキリするのではないでしょうか。

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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