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安心して入学を迎えるために、取り組むべきたったひとつのこと

寒い冬も終わり、もうすぐ春がやってきますね。

今、年長のお子さんをお持ちのパパやママは、「入学」に向けて期待や不安でいっぱいではないでしょうか。

特に、お子さんのこだわりがちょっと強めだったり、発達に気になることがあったりすると、不安の方が大きくなってしまいますよね。

勉強のこと、お友達との関係、身の回りのことなど・・・

気になることがたくさんあって、どこから手をつけたらいいのか?どこまでサポートしてあげたらいいのか?分からなくなってしまうかもしれません。

今日は、お子さんもパパ・ママも、安心して入学を迎えられるために取り組むべき、たったひとつのことをお話しします。

 

一般的なスキルを教えることの弊害

こだわりがちょっと強めだったり、発達に気になることがあるお子さんは、幼稚園や保育園でも、お友達とトラブルになったり、活動に参加できなかったりと、いわゆる集団行動になじめないことがあります。

そんなわが子の姿を見ると、パパやママも小学校入学までに気になることを解決したいと思いますよね。

勉強するために必要な着席や書字のスキルや、お友達と仲良くできるヒント、自分の身の回りのことを自分でできる方法を教えることが大切だと思うかもしれません。

どれもみんな、大事なことですよね。お子さんが必要以上に辛い経験をしないためにも必要なスキルでもあります。

でも、お子さんの苦手や特性が関わっている場合は、お子さんの努力や頑張りだけでは解決しないどころか、やり方次第では自己肯定感を低下させてしまう場合もあります。

わたしも、手取り足取り教えてもスムーズにできるようにならない子どもに、きつく当たって泣かせてしまう・・・なんてことがありました。子どもの力を信じてあげられず、自分を止められなくなっていたんだと思います。

小学校は、入ってからがスタ―トです。勉強も友達関係も身の周りのことも、お子さんの性格や特性に合わせて、スモールステップでサポートしていきたいですね。

 

入学までに取り組むべきたったひとつのこと

では、入学までに取り組むべきことって何でしょう?

それは、「ヘルプサインを出せるようにする」です。

「ヘルプサインが出せる」とは、「教えて」「手伝って」「助けて」などが言えることです。

「そんな簡単なこと!?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。でも、ヘルプサインって「出しなさい」と言って、カンタンに出せるものではありません。

お子さんを、ちょっと振り返ってみてください。普段の生活の中で困った時、このような言葉を言えていますか?

ヘルプサインが出せるようになるには、その人との信頼関係ができていたり、自分が出したヘルプサインを受け止めてもらえた!という成功体験が必要です。また、子どもは言葉以外でヘルプサインを出していても、パパやママは、甘えやわがままだと受け取ってしまい、すれ違いや失敗体験につながってしまうことも多いです。

ヘルプサインが出せないお子さんは、「分からない時」「困った時」「間違いを指摘された時」などに、癇癪や 暴言・他害などの困った行動で表現することがあります。

ヘルプサインを出せないことで、困った行動が増えたり、周りから乱暴な子だと誤解されてしまう可能性があるんです。それは避けたいですよね。

ぜひ、おうちの中でお子さんが「ヘルプサイン」を出せるサポートをしましょう!

一番カンタンにできる、オススメなサポートは・・・パパやママが、お子さんに「教えて」「手伝って」「助けて」をいうことです。そして、やってくれたことに対して「ありがとう」と笑顔で伝えましょう。

そうすることで、お子さんは、ヘルプサインを身近に感じて、自分も言ってみようかな?と思えるようになります。

 

子どもの未来につながるスキルを育てよう

「ヘルプサイン」のスキルを身に付けることで、困った行動や失敗体験を回避することができます。

「回避」と聞くと、トラブルから逃げるように感じて、あまり良い印象を持てない方もいらっしゃるかもしれません。でも、新しい場所、人、もの、ルール・・・に囲まれて、混乱しない子どもはいません。特に、「はじめて」に不安を強く感じるお子さんには、注意が必要です。

小学1年生くらいだと、まだまだ自分が感じていることを言語化できず、不安や心配なことがあっても伝えることができません。その、ひとつひとつの不安や些細なつまずきが言葉にできず、「登校しぶり」や「暴力行為」につながりやすくなってしまいます。

すべてを言葉にできなくても、「教えて」「手伝って」「助けて」が言葉にできたら、お子さんは自分で安心できる環境を作っていけるでしょう。

これは、お子さんが成長して大人になっても役立つスキルです。進学で、就職で、場所や人間関係が変わっても、ヘルプサインを出すことができれば、その時々の環境に早くなじめるようになります。

まとめ

  • お子さんがヘルプサインを出せているか確認する
  • パパやママがお子さんにヘルプサインを出す

ぜひ、試してみてください。

 

執筆者プロフィール

浜田悦子(はまだ えつこ)

発達障害・グレーゾーン専門
子どもとママのための家庭療育アドバイザー

繰り返す問題行動に怒られてばかりの子どもと 孤独な子育てに苦しんでいるママに寄り添い、 子どもの自己肯定感とママの子育ての自信を取り戻し 笑顔に導く家庭療育アドバイザー。
自身の子どもが発達障害と診断されたことをきっかけに、発達支援センターの指導員へ。以来、約2,000人以上の親子に関わる。
大学、発達支援センター、放課後等デイサービスでの講演・研修多数。

【著書】
『発達障害&グレーゾーンの子どもを「急かさず」「怒らず」成長を引き出す言葉かけ 』浜田悦子 (著), 汐見稔幸 (監修) 実務教育出版

【執筆・監修】
ユーキャン 子ども発達障がい支援アドバイザー講座
ユーキャン 思春期発達障がい支援アドバイザー講座

【メディア掲載】
毎日新聞、中日新聞、朝日新聞、ひよこクラブ、朝日新聞 WEEKLY AERAなど

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