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自閉症、発達障害がある子に薬を飲ませることについて

我が子の睡眠障害やパニックや自傷行為が激しい場合でも、家族が気合と努力で何とかできるのであれば、あまり服薬させたくないという親御さんはめずらしくありません。でも、なかなか難しいケースもあります。

息子は23歳の知的障害を伴う自閉症です。発達障害の他に精神疾患である強迫性障害も発症しています。ですから薬が欠かせない状態です。

発達障害の子に処方される薬は風邪薬に似ている

さて、薬についてまず、押さえておかなくてはならないこと。それは、薬は発達障害そのものを治すものではなく、発達障害による様々な辛さを軽減するものと言うことです。

それは風邪を引いた時に飲む薬と似ています。

風邪を治すには休養しかありません。風邪そのものを治す薬は存在しませんが、風邪による発熱や咳、鼻水を軽減するために様々な薬が存在します。これにより、身体も少し楽になり休養でき、結果的に風邪が治るということです。

発達障害の子に処方されるお薬はそれと似たようなものだと思います。例えば自傷や他害行為が激しかったり、不安感が強かったりすれば本人も毎日辛いです。障害を「治す」ことはできなくても、症状を和らげることができれば生きやすさにつながるため、薬をうまく使うことも大切だと私は思います。

睡眠導入剤の意義

睡眠導入剤を夜寝ない子に処方された際、飲ませるかどうか迷う方もいらっしゃるかと思います。そのことについて。

夜ぐっすり眠れないと、その子の翌日のパーフォーマンスは確実に落ちます。子どもが夜間寝てくれないと、付き合わされる親も睡眠不足になります。親だって睡眠不足になればイライラしますし、仕事も家事もしっかりできません。夜寝ない子の睡眠導入剤はその子のためだけではなく、親のためにも必要なのだと思います。

息子の薬

息子はずっとお薬を飲んでいます。強迫性障害があるからです。そのおかげで比較的穏やかな日常を送ることが出来ています。

息子の薬(エビリファイとデプロメールと頓服のリスパダール)

 

薬には必ず副作用がありますので、年に一度、採血をし、肝機能障害が起こっていないか調べています。こちらが黙っていても精神科の医師が「そろそろ一年立ちますから採血しましょう」と言ってくれます。

私も飲んでる

私は、コレステロール値がとても高くて、血栓ができやすい体質のため、コレステロールの薬や血液をサラサラにする薬をかれこれ20年飲み続けています。

主治医に「こんなにずっと薬を飲んでいていいんでしょうか。私は脳梗塞で死ぬんでしょうか?」と聞いたことがあります。主治医は「薬を飲んでいるから大丈夫ですよ、ですが飲まないでいると突然死のリスクが高くなります」と言いました。

わが家は母一人子一人です。息子のためにも、元気で一日でも長生きしたいと考えているので、飲んだ方がよいと思っています。

また、私自身も強迫性障害を若い頃発症しています。今は寛解しているのですが、お守り代わりに寝る前に最小限の薬を飲んでいます。

薬に抵抗がある方の気持ちも理解しているつもりですが、様々な薬に助けられて立石家の今があります。主治医に薬の服用を勧められて、落ち込んだり迷ったりされている方がいらっしゃったら、この体験談も参考にしていただけたらうれしく思います。

執筆者プロフィール

立石美津子(たていし みつこ)

著述家
20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。
自閉症スペクトラム支援士

『一人でできる子が育つテキトーかあさんのすすめ』
『はずれ先生にあたったとき読む本』
『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』
『動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな』
など著書多数

日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞作『発達障害に生まれて(ノンフィクション)』のモデル
Voicy  https://voicy.jp/channel/4272
オフィシャルサイトURL https://tateishi-mitsuko.com/
テキトー母さんのすすめ(アメブロ) https://ameblo.jp/tateishi-mitsuko/

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