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知的障害、発達障害がある生徒の中学校卒業後の進路選択

知的障害、発達障害がある生徒の義務教育終了後の進路選択について、どうしたらいいものか頭を悩ませている保護者の方も多いでしょう。中学校卒業後の進路選択において、どのようなことを考え、準備を進めていけばよいのかについて、考えてみたいと思います。

高校進学における選択肢

高校進学における選択肢には、様々なものがありますが、以下の大きく4つに分けられます。
●全日制の一般高校(普通科、工業科、商業科、その他実業科)
●特別支援学校の高等部
●通信制または定時制高校
●その他(高等専修学校、フリースクール等)

全日制の一般高校は、選択の幅が広いので、学習したい内容や学力に合わせた選択ができます。また、障害のある人だけに限ることなく、同年齢の様々な学生と交流を図ることができます。ただ、支援を受けられる環境があるかどうかは、学校によって異なるため、授業の進み方が早いために勉強についていけなくなってしまったり、人間関係でのトラブルが生じてしまったりする可能性もあります。高校生活でのサポートを望むのであれば、あらかじめ、学校見学や支援環境についての確認をしておく必要があるでしょう。

特別支援学校の高等部は、全日制の一般高校と異なり、学生一人一人に合わせた支援環境をとってくれる体制があります。また、就労を意識した職業教育に力を入れていますし、障がい者雇用に理解のある企業とのつながりも有しています。

通信制高校は、スクーリングがあるものの基本的には自宅学習となります。自分のペースで学習を進めていくことが可能です。人間関係でのトラブルは生じにくい環境での学習とはなるものの、学生間の交流がないことにより、社会性が育ちにくいことにつながる可能性はあります。また、定時制高校は、一般的には夜間に学校に通うことになります。原則として3年で卒業となりますが、進度によっては卒業までに3年以上の年数を要することもあります。学生の年齢層も広いため、様々な年齢層の人との交流を図ることができる一方で、それが人間関係でのトラブルに発展する可能性もあります。

その他、高校とは別種ではありますが、高等専修学校やフリースクールを活用して、中学校卒業後の進路選択をすることもできます。

高校進学の選択時に考えておきたいこととは?

日頃、相談をお受けする中でも、中学校卒業後の進路についてお話される保護者の方は多いものです。しかし、お話をお伺いしていますと、高校に入れることにお話がクローズアップされていて、高校卒業後、どうするかまでは見通していないケースが多いように思います。

全日制の一般高校を卒業後、一般就労をしたものの、コミュニケーションが上手く取れず、オーバーワークとなった結果、メンタル面に影響が生じて、現在は就労継続支援事業所B型へ福祉就労しているケースもあります。つまり、一般高校に進学したからといって必ずしも一般就労に結び付いて安心できるというわけではないということです。

高校に入ることがゴールではありません。その先の将来的な進学、就労を見通して、本人の学力や社会的スキル、職業志向を踏まえて、将来ビジョンに沿った進路選択を行う必要があることに留意しておきましょう。

学校以外にも考えておきたいこと

また、高校進学の頃、自治体によっては子供の医療費助成が終了するケースもあります。中学校より、自宅から離れた場所に通学する可能性もありますので、通学時にトラブルや事故に巻き込まれてしまうことも考えられます。また、交友関係が広がることで人間関係トラブルが生じることもあります。進路選択について考えることに加えて、医療や損害賠償等の備えの見直しも合わせて考えておきましょう。

執筆者プロフィール

キムラミキ

鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、独立系FP会社での業務委託・スタッフ経験を経て、2008年8月より独立し、現在、株式会社ラフデッサン代表取締役を務める。

定期刊行誌、新聞社webコラム等の執筆業務を中心に、セミナー講師、個人向けFP相談を受ける。

キムラミキ

執筆者プロフィール

キムラミキ

鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、独立系FP会社での業務委託・スタッフ経験を経て、2008年8月より独立し、現在、株式会社ラフデッサン代表取締役を務める。
定期刊行誌、新聞社webコラム等の執筆業務を中心に、セミナー講師、個人向けFP相談を受ける。

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