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障害があると保険には入れないの?

「障害があると保険に入れないのですか?」と質問をされることがあります。また、障害のある子供ために保険に加入する際、特に聞かれなかったので障害があることについて伝えなかったことを不安に思っている保護者の方もいらっしゃるようです。知的障害、発達障害がある方の保険加入に際して考えておきたいことについて、整理してみたいと思います。

告知義務を知っていますか?

保険法では、保険契約者又は被保険者になる方が生命保険契約をする際、保険事故の発生の可能性に関する重要な事項のうち、保険会社から告知を求められたものについて事実の告知をしなければならないと定めています。これが告知義務です。

告知義務に違反した場合には、生命保険契約を解除することができるとしています。また告知義務違反を理由に、保険事故が生じたときに保険料を支払っていても保険金等の支払いを受けられないこともあります。

告知ってどうやってするの?

告知は告知書といわれる、各保険会社所定の書式に記載してある質問に回答を記入していくことで行います。

一般的な告知書には、
●最近3か月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか
●過去5年以内に病気やケガまたは検査で入院、手術を受けたことがありますか
●過去5年以内に所定の病気による診察、検査、治療、投薬を受けたことがありますか
といった質問の他、健康診断での指摘の有無やがんにかかったことがあるか否か、妊娠の有無等の質問が記載されています。

保険会社によっては、告知が必要な所定の病気の中に、てんかん、知的障害を含めている会社もあります。また、発達障害、知的障害のある方の中には定期的な通院や服薬をしている方もいるでしょう。その場合には、その旨を告知する必要があります。告知事項がある場合は保険加入の承認を受けることができないこともあります。発達障害、知的障害がある方が保険に入れないといわれているのは、この点に起因するものと考えられます。もちろん、知的障害、発達障害があるから絶対に保険に加入できないわけではありません。加入ができるように詳しく話を聞いて、配慮してくれる保険会社もありますので、相談されてみてはいかがでしょうか。ただし、告知義務違反の促しには安易に応じないよう注意が必要です。

専門保険会社に相談するのも一案

知的障害、発達障害のある方が保険加入を考える場合、その障害がある方に特化している保険商品を扱っている専門保険(共済)会社に相談してみるのも一案です。専門保険(共済)会社の強みは、なんといっても障害に深い専門性をもっていて、かつ障害に理解があることです。

保険は、加入して終わりではありません。万一のときに活用できてこそ意味があるものです。もしも保険金等の受取が必要となった場合に、保険会社に知的障害、発達障害に対する専門性や理解がなければ満足のいく対応を受けることができないかもしれません。

発達障害や知的障害がある方は、その衝動性やパニックにより人への他害行為やモノの破損を生じさせてしまうリスクもあります。また、判断能力にハンディがあるため詐欺にあってしまうリスクもあります。このように、知的障害、発達障害がある方にとって必要な保障は、医療保障や死亡保障だけではないと気づかせてくれるのも専門保険(共済)会社のいいところです。その気づきを得るという目的においても、障害のある方の保険を検討する際には、専門保険(共済)会社も選択肢に入れてみることをお勧めします。

執筆者プロフィール

キムラミキ

鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、独立系FP会社での業務委託・スタッフ経験を経て、2008年8月より独立し、現在、株式会社ラフデッサン代表取締役を務める。

定期刊行誌、新聞社webコラム等の執筆業務を中心に、セミナー講師、個人向けFP相談を受ける。

キムラミキ

執筆者プロフィール

キムラミキ

鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、独立系FP会社での業務委託・スタッフ経験を経て、2008年8月より独立し、現在、株式会社ラフデッサン代表取締役を務める。
定期刊行誌、新聞社webコラム等の執筆業務を中心に、セミナー講師、個人向けFP相談を受ける。

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