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掃除や片付けが苦手なADHDの人が楽になるちょっとしたテクニック

2021.12.27

ADHD傾向のある方の中には、掃除や片付けが苦手でいつも部屋がぐちゃぐちゃ……という方もいるのではないでしょうか。事実、ADHD当事者である私自身整理整頓や片付けが苦手です。しかし、やはり綺麗に片付いた部屋というものは気持ちの良いもの。片付いた部屋に憧れる方も多いでしょう。

そこで今回は、掃除や片付けが苦手な人でもちょっとした工夫である程度綺麗な部屋をキープできるテクニックをご紹介いたします。

■コードレスタイプの掃除機を使用する

ADHDの知人は、掃除機をかけるためにはコードをプラグに挿してそしてスイッチを入れてかける、という3段階の行程が面倒で掃除機をかけるのが苦手でした。しかし、コードをプラグに挿すという手間を一つ省けるコードレスタイプの掃除機を購入した途端、毎日掃除機をかけられるようになったそうです。

充電さえしていればスイッチ一つですぐにかけられる、というのは先送りグセの特性のある当事者にとって、大変扱いやすいようです。私は猫を飼っているので猫の抜け毛を掃除するため、毎日掃除機をかけていますが、やはりコードをプラグに挿す手間は面倒なので、次はコードレスタイプの掃除機の購入を検討しています。

■わかりやすい曜日ごとに掃除する場所を決める

一度ルールを作ると物事はうまく運びやすくなります。掃除も一度に部屋全部を掃除するのではなく、曜日ごとに掃除する箇所を決めると長続きするのではないでしょうか。

例えば火曜日はその漢字から取って火の回り(キッチン)、水曜日は洗面所やトイレなど水回りといった感じです。この曜日は必ずしも火曜日はキッチン、水曜日は水回りといった具合ではなく、翌日燃やせるゴミの日だからこの曜日はキッチンの排水溝のネット交換、といった決め方でも、なんでも自分のやりやすい方法でかまいません。

■一つずつ丁寧にやる

これは、高次脳機能障害当事者である文筆家の鈴木大介さんが、発達障害の妻から習ったやり方です。ADHDの人は気が散って洗濯物を畳んでいたはずがいつの間にか机の上に目がいって机の上のものの整理を始めていてかえって散らかってしまっていた……なんてことが起こりがちです。

なので、ここは集中して一つずつ丁寧にやり通すと中途半端になることを防げます。ゆっくりでいいので焦らず丁寧にやるのです。最初のうちはやはり気が散ってしまって難しいかもしれませんが、一つのことをやり通すと達成感があるものです。

■それでもダメなら一気に片付け

上記に紹介したようなやり方がどうしても苦手だという人もいると思います。特に先送りグセのある人は、学生時代に一夜漬けでテスト勉強をしてある程度の成績を保持していたという人もいるでしょう。

それと同じで、一気に片付けをしてスッキリ、というタイプの方は無理に上記のようなやり方にこだわらず、月に1回、大掃除の日を決めて一気に片付けてしまったほうがやりやすいのかもしれません。

特に過集中の特性がある方には向いている方法でしょう。ただ、過集中を発揮するととても疲れてしまって翌日動けなくなる方もいるので、その辺りはスケジュール管理をして、例えば連休の日を狙ってそのうちの一日を片付けの日にあてる、といった工夫が必要になりそうです。

 

もうすぐ年末です。そろそろ大掃除の準備も考える必要があります。

でも、日々忙しく暮らしている現代人は完璧を求めなくてもいいと思います。この時代の大掃除は、普段掃除しないところ、例えば窓や電気の傘など年1回しか掃除しないところのみを掃除する、というくらいでいいのではないでしょうか。

昔ながらの大掃除をしていると完璧主義傾向の特性のある方は疲れてしまいます。だから、ちょっとした工夫をしながらだいたいの掃除をして、新たな年を迎えられれば幸福度が上がるのかもしれません。

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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