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すぐに疲れちゃう……発達障害特有の疲れやすさ対策4つ

2022.02.22

発達障害は脳の障害です。定型発達の人なら必要のない視覚情報や聴覚情報をカットする機能が脳についているのですが、発達障害の人はその機能がついていません。

だから、人混みに出かけたり、たくさんのモノが置いてあるデパートや書店などに行くと、定型発達の人以上に疲れてしまうのです。その他にも例えば、誰かと喫茶店に入ったとします。

定型発達の人なら他の人の会話や食器の音などが遮断されて相手の話に集中できるところ、発達障害の人の中には他の人の会話や食器の音などが気になって相手の話をよく聞けないことがあります。それで「この人、人の話を聞いていないな」と思われてしまうという悔しい現実があります……。

発達障害の人はできるだけ疲れないように日々を過ごす必要があります。では、どうすればできるだけ疲労感に襲われないのか、4つほどご紹介いたします。

■サングラスをかける

視覚情報を多く得すぎてしまう人や、スーパーなどの光が眩しいと感じてしまう人はサングラスをかけてみましょう。かなり情報が遮断され、落ち着いた気持ちになれます。また、ASDなどで人の目を見て話せない特性のある人は、サングラスをかけると相手の目を意識せずに済むという利点もあります。

■ノイズキャンセリングイヤフォンを使う

私自身、駅構内のざわつきや電車に乗ったときのゴーッとかキィーっという音が苦手です。しかし、ノイズキャンセリングイヤフォンをつけると嘘のように静かな世界が広がります。

それでいて、電車内のアナウンスや誰かと会話するときの相手の声など、必要な音はきちんと聞こえます。かなり愛用していたのですが、先日飼い猫がイタズラをしてコードを噛み切ってしまったので、新調しなければと思っているところです。

 

■ヘルプマークを付ける

首都圏では認知度が上がっていますが、地方ではあまり知られていないヘルプマーク。赤地に白で十字とハートマークが描かれており、カバンなどに付けられるようになっています。

このマークは心臓病などの内部疾患や人工股関節を入れている人、妊娠初期の人など、見た目では障害者と分からない人が付けるマークで、役所や都営の駅などで無料で配布しています。

表面はマークのみですが、裏面に緊急連絡先やもし倒れたときにどうしてほしいか、例えば「カバンのポケットに薬が入っているので飲ませてください」などと書ける欄があります。

私の場合「ADHDの脳疲労で立っていられないことがあるので席を譲っていただけると嬉しいです」と書いています。

このヘルプマークを付けていると優先席に座っていても罪悪感を感じないと言っている当事者もいました。疲れやすさ対策に移動はできるだけ座りたいところ。

もし席に座れなくてもヘルプマークを付けていたら、親切な人は譲ってくれます。実際、私もいつもリュックにヘルプマークを付けているので、席を譲ってもらえることが多く、ありがたく座らせていただいています。そうやってできるだけ疲れをためないようにするのも一種のテクニックです。

■過集中にはアラーム

過集中で気づいたら何時間も作業をやっていて、その後どっと疲れてしまう、という当事者も多いと思います。

私もこのタイプなので、ものすごい勢いで原稿を書き上げて、疲れて動けなくなる……なんてこともしばしばです。そんな疲労を防ぐアイテムはスマホのアラーム。

30分や1時間と決めておき、アラームをかけ、休憩の時間を作りましょう。しかし私の場合、途中で中断すると集中力が切れて、作業を再開できない気がしてアラームは使っていないのですが、トイレに行くのも忘れておもらしをしてしまう当事者の話を聞いたことがあります。そのような人はぜひアラームを使うべきだと思います。

発達障害ならではのこの疲れやすさ。

苦労している方も多いと思いますが、少しの工夫で疲れをためないことができます。少しでも快適ライフをおくれるよう、上記を参考にしてみてくださいね。

 

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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