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【ADHDあるある】お人好しがゆえにやってしまう気をつけるべきこと4つ

2022.06.22

ADHD傾向のある人の中には、人柄が良くおしゃべり好きで、お人好しな人が多い傾向にあると感じています。しかし、そのお人好しさにより、ときにはトラブルに巻き込まれてしまうこともあるのです。そんなお人好しなADHDの方が気をつけるべきことを4つご紹介いたします。

■マルチ商法や詐欺、新興宗教の勧誘

以前取材した発達障害当事者にも、儲け話の詐欺に騙されて約300万円持ち去られてしまった人がいました。その犯人とは連絡が取れなくなり、未だ捕まっていません。しかもその犯人は「自分も発達障害だからあなたのつらい気持ちはよくわかります」と言って近づいてきて、「一緒にこのビジネスをやれば儲かる」ともちかけてきたそうなのです。

発達障害の人の中には就労に困っている人も多い上、お人好しという点で詐欺に騙されやすいのです。また、新興宗教の勧誘に関しても、この人はこんなに自分のことを思ってくれている、と感じてしまい入団してしまう人もいます。

一般的にうまい儲け話はそうそう転がっていません。

もし、上記のような話をもちかけられた場合は信頼できる知人や友人、家族に相談してください。その場の勢いに飲まれないよう注意が必要です。

■距離感の問題で人間関係のトラブルに

ADHD傾向のある人は、人と仲良くなりたくてつい、程よい距離感を忘れて突然他人との距離感を縮めてしまう人もいます。

これは実は、私も該当します……。誰かと知り合うと、すぐにご飯に行っていた時期がありました。でも、定型発達の人からすると、会ってすぐに距離を縮めてくることに抵抗を感じたり引いてしまう人だっています。

そうして、急に距離を縮めたことにより相手から拒否をされて落ち込んでしまったりして、人間関係のトラブルに繋がるのです。ちなみに現在の私は、必要以上に人との繋がりをあえて作らないようにしています。信頼できる人が数人いればいいのです。

しかし、仕事柄、友達とまではいかずとも仕事上での付き合いの知り合いはたくさんいます。その人たちとどこまでの距離感を保つのかを、常に考えて行動するようになりました。

■自らトラブルに首を突っ込んでしまう

発達障害の傾向のある人の中には正義感の強い人もいます。

誰かがトラブルに巻き込まれていたとしましょう。そんなとき、正義感の強いADHDさんは自分が解決して助けてあげなきゃ! と思ってしまうケースもあります。しかし、結局は自分の手に負えず、さらにトラブルが広がってしまうということも……。

また、企業に勤めている当事者が、誰かが(特に権力を持っている人)不正をしている現場を目撃した場合、「それは間違っています!」と指摘した当事者も知っています。しかし、企業の不正の場合、上司によっては逆に叱られたり、最悪の場合左遷という可能性も……。企業の不正があってはならないことは事実です。けれど、それをどこまで容認するか、難しい問題です。

■頼み事を断れずにダウン……

お人好しなADHDさんの中には、仕事でもプライベートでも頼み事をされやすいタイプの人がいます。そして、お人好しがゆえ、たとえ自分のキャパシティがいっぱいいっぱいだったとしても断れないのです。

また、断れない理由の一つに「断ってしまって嫌われたらどうしよう」という不安がある方もいるでしょう。しかし、無理に頼み事を引き受けてダウンしてしまっては仕事にもプライベートにも支障が出てしまいます。では、どうやって断ればいいのでしょうか。

これは、新卒の人がマナー研修などでも教わる「クッション言葉」が役に立ちます。クッション言葉とは、そのままだと伝えづらい内容の言葉の冒頭につけて表現を柔らかくする効果のあるものです。

例えば、現在いっぱいいっぱいの段階で頼み事をお願いされたとします。そうしたとき「今はお引き受けできません」と言うより、「お力になりたいのはやまやまなのですが、現在自分の仕事が立て込んでいてお引き受けが厳しいです」と答えると相手に嫌な印象を与えずに済みます。

お人好しがゆえにやってしまうADHDさんあるあるのトラブル、心当たりのある方もいたのではないでしょうか。しかし、お人好しであることは悪いことではありません。これも自分の特性の一つとして、時には気をつけながら過ごしていけばいいのではないでしょうか。

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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