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子どもが性器を触るときどうする?性教育はいつから?

新学期がはじまりました。

クラス替えや下駄箱の移動など、毎年行われることだったとしても、子どもたちにとって不安やストレスがたまりやすくなる時期です。そのため、新しい環境では「性器を触る」行為が、男の子にも女の子にも出やすくなります。

自宅で性器を触りながらテレビを見ている場面を目撃したり、授業参観で性器を触っているわが子を目撃したりすると、とてもショックですよね。(人前で触るなんて、恥ずかしいからやめて!)(早く止めさせないと癖になる!)と、焦る気持ちから、「汚い!」「触らない!」という言葉がでてしまうでしょう。

でも、「禁止」の言葉で一時的に行為を止めたとしても、他の弊害が出る可能性があります。今日は、性器を触る子どもに隠れている原因と、子どもの未来につながる関わりを考えてみましょう。

子どもが性器を触る原因

子どもが性器を触るとき、次のような状況が考えられます。

  • 手持ち無沙汰を感じている時
  • 苦手な刺激やストレスを感じている時
  • 不安が強く安心したい時

特に、今までと違った環境や生活リズムになる新学期は、子どもにとって見通しがたちにくくなります。

パパやママ、先生にとっては、「教室や先生が変わっただけ…」「中には知っている友達もいるし…」と大したことの無いように感じていても、自分で見通しを立てることが苦手だったり、感覚過敏を持っていたりする子どもは不安を感じやすくなります。

例えば、今までと同じ時間に、持ちあがりの先生が朝の会をはじめたとしても、教室の展示物やクラスのお友達が変わっていることは、子どもにとって「違う」ということになります。この「違い」に不安を感じる子どもは少なくありません。

また、先生がやるべきことを伝えていたとしても、説明が長かったり、記憶力などの問題で、聞き取ることや理解して行動することができなかったりします。

このように、「いつもと違う」ことや「分からない」ことが積み重なって、集団生活や自宅での性器を触るという行為に出てしまっている可能性があります。

性器を触ることで、あたたかさや柔らかさを感じてリラックスできたり、他の苦手な刺激から逃げるために強い刺激を得ていることがあります。

不安やストレスを軽減するためにたどり着いた行為なのかもしれません。

とはいえ、親としては穏やかに見守ることって、なかなか難しいですよね。

ここからは、子どもが性器を触っている姿を目撃した時の関わり方をお話します。子どもの大切な将来につながるサポートになりますので、ぜひ参考になさってくださいね。

 

子どもが性器を触る時の関わり

年齢や状況によっても変化しますが、子どもが性器を触る時の関わりを3つご紹介します。

  1. (教室など)場所を移動させる
  2. 子どもの好きな遊びややるべきこと(役割)を与える
  3. 性器を触って良い場所や状況を教える

ひとつずつ説明します。

関わり1.(教室など)場所を移動させる

特に、園や学校などの集団生活でのオススメの関わりです。集団生活は、人の声や給食のにおいなど、さまざまな刺激が混ざり合っています。先生と連携し、子どもが性器を触る時間帯や場所を観察しながら、にぎやかな教室から静かな廊下に出るなど場面を切り替えてみましょう。

関わり2.子どもの好きな遊びややるべきこと(役割)を与える

暇な時間ややるべきことが分からないと、何をしていいか分からないために、性器を触ってしまう子どもがいます。このような時には、子どもの興味や関心のある遊びを提案したり、カンタンなお手伝いなどをお願いして、気持ちを切り替える提案をしてみましょう。

関わり3.性器を触って良い場所や状況を教える

これは、自宅でできる性教育のひとつでもあります。子どもが性器を触る場面を目撃したり聞いたりするとドキっとしてしまいますが、性器は本来、汚いものでも触ってダメなところでもありません。遠ざけるのではなく、小さいうちから、見て、触って、理解しておくことで、自分の体の一部として大切にできるようになります。このことは、性加害をしないことや性被害に巻き込まれないことへもつながっていきます。

性教育はいつからはじめたらいいの?

特に、幼児さんや小学校低学年の子どもに対しては、「性教育なんてまだ早い」と考えるご家庭は多いのではないでしょうか?また、「性教育」と聞いて、「恥ずかしい」と感じたパパやママは、もしかしたら正しい性教育を受けていない可能性があります。

わたしもそうでした。

わたしが子どもの頃の性教育とは、月経や射精、妊娠や出産など、一部の情報しか学ぶことができませんでした。でも、実は、体の名称や体や性器の洗い方を知ることやお風呂に入って「あ~気持ち良いな」と感じることも、性教育のひとつなのです。

なぜなら、自分にとって何が気持ちが良くて(快)、何が気持ち悪い(不快)なのか?という感覚を理解していないと、誰かに嫌なことをされた時に「嫌だ」ということを伝えることができなくなってしまうからです。

また、発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、性器を触っていることを注意されたことで、「性器=汚い」「性器=触ってはダメなもの」だと強く思い込んでしまう可能性があります。

結果として、おしっこをする時に性器を触れない、トイレットペーパーで拭けない、将来好きな人ができても触れ合うことができない、という大きな弊害を生み出してしまうことすらあるのです。

パパやママは一時的に注意しただけ・・・という気持ちだったとしても、自分の信じた情報や知識を崩すことがとても難しい子どももいます。

わが子の幸せを願いかけている声かけが、結果的に子どもを苦しめることになったら悲しいですね。そうならないように、子どもの困ったと感じる行動や問題を学びに変えて子どもをサポートしていきましょう。

自宅で性教育をはじめるなら、絵本がオススメです。まずは、パパやママが読んで学んでくださいね。

<おすすめの絵本>※出版社のページをリンクしています。

あっ!そうなんだ!性と生―幼児・小学生そしておとなへ浅井春夫、安達倭雅子、北山ひと美、中野久恵、星野恵(編著)エイデル出版

『あっ! そうなんだ! わたしのからだ 幼児に語る性と生』中野久恵/星野恵(編著)エイデル出版

 

執筆者プロフィール

浜田悦子(はまだ えつこ)

発達障害・グレーゾーン専門
子どもとママのための家庭療育アドバイザー

繰り返す問題行動に怒られてばかりの子どもと 孤独な子育てに苦しんでいるママに寄り添い、 子どもの自己肯定感とママの子育ての自信を取り戻し 笑顔に導く家庭療育アドバイザー。
自身の子どもが発達障害と診断されたことをきっかけに、発達支援センターの指導員へ。以来、約2,000人以上の親子に関わる。
大学、発達支援センター、放課後等デイサービスでの講演・研修多数。

【著書】
『発達障害&グレーゾーンの子どもを「急かさず」「怒らず」成長を引き出す言葉かけ 』浜田悦子 (著), 汐見稔幸 (監修) 実務教育出版

【執筆・監修】
ユーキャン 子ども発達障がい支援アドバイザー講座
ユーキャン 思春期発達障がい支援アドバイザー講座

【メディア掲載】
毎日新聞、中日新聞、朝日新聞、ひよこクラブ、朝日新聞 WEEKLY AERAなど

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