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子の幸せこそ親の願いだから-忘れないようにしたい我が子にとっての本当の幸せ-

子を持つ親はだれしも我が子の幸せを一番に願います。障害のある子を持つ親ならなおさらかもしれません。

障害のある子にとっての幸せとは

我が子の幸せとは何でしょうか。

  • 良い学校に入る
  • 有名企業に勤めている
  • 優れた才能持って世間から評価される
  • 自分の才能で食べていける
  • 定型発達の子から刺激を受けて伸びる

そんな風に思い込んでいないでしょうか。

確かに一見どれもこれも幸せにつながるような気がします。けれども、世間から見てどうかとか、一般的にはこれが幸せだとか、親がこれが幸せだと思っている、とかではなく、本人がそれをどう感じているかが重要なのだと思います。

幸せとは全体からみてどうかという相対評価ではなく、自分がどう感じているのかの絶対評価だからです。

才能を世間に認められている障害者を羨ましく思うこともあるが

突出した才能がある発達障害の人が、世間から脚光浴びていることがあります。はたから見れば、みんなから認められて称賛され羨ましい限りなのですが、本人の気持ちは本人にしか分かりません。

もちろん、「人にはないものを持っていて幸せだ」と感じているかもしれません。反対に「もっとゆったりとのんびりとした人生を歩みたい」と思っているかもしれません。

才能探しに明け暮れた

かくいう私自身も息子が幼い頃、カラスの鳴き声を聞いてカラスの種類を言い当てる様子を見て、「耳がいいんだ。ピアノを習わせてピアニストか調律師になれるよう、頑張らせるのが親の務め」と思い込んでいました。そして、才能発掘のため必死で習い事をさせていました。

でも息子はピアノの練習をひどく嫌がり、私は「これでは辛い毎日で、安心安全とはとても言えないぞ」と感じるようになりました。そして、一年で辞めることにしました。

人生の岐路

息子は小学校入学時、個別にきめ細かい対応をしてくれる特別支援学級に進級しました。中学も特別支援学級に進級し、中学卒業後は特別支援学校高等部に進学しました。

けれども、特別支援学校高等部は高校の位置づけではありません。

つまり、卒業しても高卒資格はありません。そのため、これを嫌がり普通高校を目指すママ友もいましたが、「普通の」学歴は障害がある息子には不必要だと考えました。(※特別支援学校高等部を卒業しても大学受験の資格は得ることは出来ます。)

特別支援学校高等部卒業後は一般就労を目指すのではなく(定型発達の人が高校卒業後すぐ働かず、専門学校や短大、大学に進むことは一般的ですし)、いきなり社会に出さずに就労移行支援事業所に通わせ、3年間しっかり勉強してもらうことにしました。

何が幸せか

私の望みは息子が人生最後の日を迎える時、「僕の人生は幸せだった」と呟いてあの世の私の元にやってくること。

そのためには

  • 療育の鬼と化して、苦手なことを克服させようと必死になりすぎず、安心安全を確保してやること、療育はほどほどにすること
  • 勉強ができなくてもいいから、いじめられたり、自信を失くしたりすることは出来るだけ避け、学校へ行くことが楽しいと思えること。通常級にこだわらないこと
  • 私がこの世にいなくなっても頼れる大人が周りにたくさんいること

だと思っています。

子どもが幸せな人生を歩むことが全ての親の願いです。けれども、その方法論や選択する道は親によって違います。

その選択が子どもにとっての幸せか、子どもの不幸になっていないか、人生の岐路のたびに子ども本人の目線に立ち返ってみることを忘れないようにしたいですね。

執筆者プロフィール

立石美津子(たていし みつこ)

著述家
20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。
自閉症スペクトラム支援士

『一人でできる子が育つテキトーかあさんのすすめ』
『はずれ先生にあたったとき読む本』
『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』
『動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな』
など著書多数

日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞作『発達障害に生まれて(ノンフィクション)』のモデル
Voicy  https://voicy.jp/channel/4272
オフィシャルサイトURL https://tateishi-mitsuko.com/
テキトー母さんのすすめ(アメブロ) https://ameblo.jp/tateishi-mitsuko/

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