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ADHDの特性で衝動的に話しすぎてしまうのを防ぐ方法

2023.09.06

ADHDの特性を持つ人の中には、人と会話をしているときに他の人の話を遮って自分の話をしたり、衝動的に(どうしても話したくて)、TPOにそぐわない話や失言をしてしまう人がいます。実は私もその中の一人です。

話したくて仕方ない特性のせいでその場が凍りつく……

拙著のエッセイ『生きづらさにまみれて』(晶文社)の中でも書いているのですが私は若い頃、五反田で夜のお仕事、いわゆる風俗の仕事をしていました。刺激的なものを好む私にとってその仕事は、いろんなお客様に会えてとても楽しいものでした。私はその仕事(風俗)のことを親しい友人との飲みの席などで散々話してきました。

パートナーと暮らすようになったある日、パートナーの友人とその恋人と4人で飲んだときのこと。パートナーの友人とその恋人と私はまだ会って二回目のときでした。五反田にある美味しいお店の話になった際、五反田というキーワードから昔の仕事が連想されてしまい、思わず「昔、五反田の風俗で働いていたとき、仕事帰りによく●●というラーメン屋で食べていました!」と口走ってしまったのです。

その時の私は何とも思っていなかったのですが、後で彼から「あの場が凍りついて二人共困っていたじゃないか!」と怒られました。でも、どうしても話したくて仕方なかったのです。幸いその二人は優しく、その後も友人関係を続けてくれています。

TPOが大事(それを喋っていいときと悪い時がある)

そんな出来事があった後、顧問税理士さん主催で、税理士さんのクライアントが集う飲み会が開催され、私もクライアントの一人として参加しました。

その飲み会に向かう途中、彼から「初めて会う人も多いのだから絶対に五反田での仕事の話はしないで」と少し怒った声色で電話がかかってきました。私は「はいはい、わかっていますよ〜!」と不満げに答えました。

しかしいざ飲み会の場に行ってみると、同じテープルにはアダルトライターさんや現役風俗嬢の方もいて、みなさん自分のアダルトな仕事の話をしています。

ここで私は、このような場だったら私が過去に風俗嬢をしていたことを話しても大丈夫なのではないかと思い、パートナーとの約束を破り五反田で風俗の仕事をしていたことを話しました。するとその場は大盛り上がり。要するに、話しても大丈夫な場、いわゆるTPOが大事なことに気づきました。

話したくて仕方がない時の私の対処法

こんな私が実践している、ADHDの特性で話したくて仕方ないときの対処法を紹介します。

  1. 手で口を覆う
  2. TPOを考える
  3. 初対面の人やあまり親しくない人には注意

詳しく書いていきます。

対処法1.手で口を覆う

1つ目は、以前取材した自身も発達障害の専門医が実践していたという、話したくて仕方なくなったときは一度手で口を覆ってみる方法です。これは無理やり感がありますが結構効果があります。

対処法2.TPOを考える

二つ目は、そのことを話してもいい場なのか一旦冷静になって考えてみることです。私の場合、アダルト系の仕事をしている人がその場にいれば風俗で働いていたことを話しても大丈夫なのです。

対処法3.初対面の人やあまり親しくない人には注意

三つ目は初対面の人やあまり親しくない人に込み入った自分の話をしないこと。この場合、あまり自分が喋れなくなってしまいますが、聞き手に回っています。私は仕事でインタビューをしているような感覚で相槌を打っていることが多いです。

ただ、これらの方法は会話が終わった後、とても疲れます。この疲労回復法は自分でもまだ解決できていません。でも一番は、親しい友人と気兼ねなく話すことがストレス解消法の一つになっています。

 

ADHDの特性で、どうしても話したくて仕方なくなってしまう方、私が行っている対処法を一度試してみてください。また、話している際にADHDと思われる方が突然とんでもない話をしてしまった場面にあってしまった場合、スルーしていただけると助かります。

 

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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