fbpx

ADHDの特性で忘れ物が多い、そんな人のための対策

2023.10.25

ADHDの人の中には忘れ物をしやすい特性がある人がいます。私もそのうちの一人です。特に幼い頃は忘れ物がひどく、宿題をやったのに学校に持っていくのを忘れ、(今の時代だと大問題ですが)罰として一日正座をして、椅子を机代わりにして授業を受けさせられていました。また、子ども会でカレーを食べる行事があると、皿は持参しなければならなかったのですが、食べ終えて汚れた皿を持って帰るのを忘れ、そのままその皿は行方不明になり親に怒られたことがあります。

大人になってからはだいぶマシにはなりましたが、それでもたまに財布や、取材道具一式(名刺やICレコーダーなど)が入ったポーチを忘れることがあります。財布を忘れた場合、スマホ決済ができる店の場合はそれで済ませます。取材道具一式を忘れた際、名刺は「切らしていて申し訳ありません」と伝え、録音はスマホの録音アプリを使っています。ノートやペンはコンビニで急遽調達します。

私の忘れ物対策

現在私が取り入れている忘れ物対策は以下です。

  • 出かけるときの忘れ物対策

家から出かけるときは同じカバンを使うようにしています。そして中身を変えません。また、以前は玄関のドアに百均で買える小さなホワイトボートを設置し、「必ず必要なものリスト」(財布、スマホ、手帳など)を書いて貼っていました。そうすると家を出る際、玄関のドアが必ず目に入るので、そのときに忘れ物がないか確認することができました。

  • 出先から帰るときの忘れ物対策

カバンは2つ以上持ち歩くと1つ忘れてしまうので、なるべく1つにまとめます。オススメは両手があくリュックです。私自身リュックを愛用していますが、出先で買い物をして荷物が増えた場合、手に荷物を持たないといけなくなります。そのため、帰りの電車で網棚に荷物を置くと忘れてしまう可能性があるので網棚の上にはおかず、必ず手に持っています。

  • 途中で荷物が増えるときの忘れ物対策

以前、大阪出張で新幹線に乗った際、キャリーとリュックで出かけました。しかし、東京駅でお土産を買ったのでお土産の袋が2つ増えてしまいました。網棚に置くと忘れる確率が上がります。なので、足元にキャリーとリュックを置き、その上にさらにお土産の袋を重ねました。

また、私は宮崎出身なので帰省するときは飛行機です。飛行機に乗る際はキャリーとお土産の袋を預け、リュックだけで飛行機に乗ります。しかしたまに、保安検査場を通った後にお土産を買うこともあります。その際はお土産の袋を上の棚に上げるのですが、飛行機は新幹線と違って着陸すると全員が上の棚を開けます。それにつられて一緒に棚を確認することになるので、置き忘れずに済んでいます。

子どもの忘れ物に悩んでいる親御さんに伝えたいこと

私は幼少期に忘れ物が多かったのですが、学校からの教えで、登校前に玄関で「ハンチボナツ」と唱えることをやらされていました。ハンチボナツの「ハン」はハンカチ、「チ」はちり紙、「ボ」は帽子、「ナ」は名札、「ツ」は爪が伸びていないかどうかです。     効果はてきめん、「ハンチボナツ」だけはほとんど忘れずに学校に行くことができていました。

もし、お子さんの忘れ物癖に悩んでいる親御さんは、玄関で一度お子さんに忘れ物がないか、ハンチボナツのような呪文を作って確認して登校させてもらえるとお子さんも学校でつらい目にあいにくくなるのではないでしょうか。

また私は、宿題を勉強机の上に忘れることが多かったので、「机の上を見ておいで」と声がけもしてほしかったなと思っています。

大人になった今となっては自分の特性を把握し、自分に合った忘れ物対策を考え実行することができますが、子どもにとってはまだそれは難しいと思います。子どもが忘れ物を繰り返し、叱られ続けて自信を失う前に、周囲の大人はその子にあった忘れ物対策を一緒に考えてあげられると良いのではないでしょうか。

 

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

この執筆者の記事一覧

関連記事

おすすめの記事