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ASD/ADHDの女性である私のこれまでをふりかえる

発達障害のASD女性は、男性と比べて気づかれにくく、診断まで時間がかかると言われています。私も大人になってから診断されたのですが、診断にいたるまで、また診断後の私の経験をシェアしたいと思います。

ASD女性である私の幼少期

女性の場合ASDがあったとしても問題行動が少なく、おとなしい子と思われて成長することが多いそうです。いじめや何かトラブルが起こったとしても、周りに合わせようと適応できてしまうこともあるそうです。

私はASDとADHDを併発していますが、ASDの特性が強くあると思います。子どもの頃は、落ち着きはなかったですが、今ほど感覚過敏が強くはありませんでした。団体行動をするのが苦手だったことが一番記憶に残っています。

子どもの頃は、学校でも家でも、友達が多い方がいいとされていたのでめんどくさいなと思っていました。家族でいるのは楽しいですが、特にクラスみんなで、女子グループで仲良く行動するような、みんなに合わせることが苦手でした。休みの日も、一人で好きなところに行って遊ぶことが好きでした。そのため、周りからは変わってる、わがままと思われるようになります。

私が子供の頃は、発達障害という言葉もなく、たまたま血液型がB型だったために「B型だから変わっているね」と言われることが長く続きました。一人でいることが孤立だとか寂しいと思うこともなく、好きなことができる楽しみの方が大きかったように思います。仲のよい友達と二人で遊ぶことはとても楽しかったです。

 感覚過敏と身だしなみ、私の場合

社会性がなく、感覚過敏もあることで、ASDの人はオシャレに無頓着と言われがちですが、私は幼い頃から自分なりにオシャレをすることが好きでした。お年玉やお小遣いで、化粧品を買ったこともありましたし、母の化粧品を内緒で使ったりしました。母から服やバッグを借り、一緒に買い物に行ったこともありました。美容院にも行きたかったのですが、髪は母が切ってくれていました。両親は、子どもが派手になるのは避けたいようでした。

高校生にもなると、放課後にメイクをし、美容院に行くようになりましたが、母は良く思っていないようでした。メイクやファッションについて、母の気に入らないところはやめてほしいとよく言われました。アクセサリー等で着飾ることも大好きでした。

ある時母が、友達から海外旅行のお土産にいただいた化粧品を私にくれたことがありました。とても嬉しかったのですが、海外の化粧品は、とても匂いがキツく感じて、私はこの時に初めて、今でいう感覚過敏の嗅覚の過敏さに気づきました。それでも、私は嬉しくてその化粧品を使いました。今思えば嗅覚が過敏でも嬉しさが勝ったのか使うことができたみたいです。現在は、匂いが気になる化粧品は、ほぼ使いません。

うつを発症してからは、毎日メイクをするのも、オシャレをするのもめんどくさくて、元気な時だけ、やりたい時だけになりました。アクセサリーもあまりつけなくなり、家で眺めることのほうが多いです。

コミュニケーションが苦手なASD

それから、ASDといえば、人の気持ちがあまりわからず、コミュニケーションが苦手と言われていますが、ASD女性の場合、女性特有の共感能力から目立ったトラブルは少ないとも言われています。

ですが、私は女子グループのいじめなどの経験から人の顔色を見るようになり、コミュニケーションは苦手なままで、対人恐怖になりました。今でもそれは変わっていません。

家族や仲のいい人とはよく話しますし、仕事でもなるべく話すように努力していますが、いろんなシーンで人が怖くて話せないことも多いです。またASD女性は、対人で不器用なところがあったり、同年代と比べて幼く、周りから孤立して一人でいることが多く、健常者よりもセクハラやストーカーなどの被害にも遭いやすいと言われています。

私は友達付き合いは苦手でしたが、彼氏はいることが多かったので、ひとりぼっちで寂しいということはあまりなかったのかもしれません。ただ、パートナーには依存する傾向があるので、自立できるようになることは大事です。

 診断後、発達障害を公表したことで生きやすくなった

ASD女性は、健常者の振る舞いを真似して過剰に適応できるようになることもあるそうです。私も、短い時間なら無理をして、健常者のふりをして頑張ることもあります。その時は、発達障害に見えないと言われたりもしますが、やはり無理をすることはストレスになりますので、二次障害の精神疾患にならないようにほどほどにして、無理をしないこと大事だと思いま

私がASDとADHDの診断をされたのは今からちょうど2年前になります。自分でもいろんな診断テストみたいなのをして特徴に当てはまっていたので、多分そうだろうなと思っていましたが、きちんと診断してもらいたくなって、発達障害の診断ができるクリニックへ行きました。

結果は、ASDとADHDのどちらもあるとのことでした。ASDは自覚していたのですが、先生が「ADHDもあるなあ」と仰ったので、ちょっと驚きました。初診は長いテストなどを受けかなり疲れていたし、両親が私の子育てが大変そうだった時のことを思い出して落ち込んでいましたが、先生と話していて楽しかったので、この先生に診てもらえて良かったなと思いました。今までの生きづらさの原因がはっきりしたので良かったです。

父に報告したら(母は他界しています)、「何度注意してもできなかった原因がわかった」と、テレビなどで発達障害について勉強してくれました。とくに驚いたりショックを受けたり否定することもなく、受け入れてくれました。そして私の障害のことは、「個性・性格だと思っている。障害とは思っていない」と言ってくれました。父は、私が他人の悲しみを自分のことのように感じてつらくなるHSP体質のことを子供の頃から気づいて心配していました。

発達障害があることを隠さず周囲に伝えたら、私は生きやすくなりました。家族や身近な方々には、困った時に配慮をしていただくことも多く、助かっています。また診断後からASD・ADHDについて勉強することで、自分に合ったライフハックをいろいろ工夫できるようになり、生きやすさが増したように感じています。

私の経験談が、当事者の方や周囲の方の参考になれば幸いです。

執筆者プロフィール

川田直美(かわだ なおみ)

障害者ドットコムのコラムニスト・ピアサポーター
Webメディアで自身の発達障害(ASD・ADHD)やHSP、精神疾患(パニック障害)についてコラムを書いています。オンラインサロンや計画相談支援でも自身の障害を生かして活動しています。生きづらさを抱えながらも日々楽しみを見つけて暮らしています。
◇障害者ドットコム 公式サイト
https://shohgaisha.com/
◇川田夫妻の発達障害日記 https://www.youtube.com/@yuichi_naomi_hattatsu
 

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