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ADHDがある人のSNSとの付き合い方

2024.12.04

少し前になりますが、某タレントがSNSで他の芸能人を中傷するような投稿をして活動休止に追い込まれてニュースになりました。このタレントに発達障害があるかどうか、私は知る立場にありませんが、このニュースから連想したのが、ADHDのある人(私がそうです)とSNSの相性の悪さです。

例えば衝動性の強さから、勢いで炎上しそうな投稿をしてしまったり、不注意から、アカウントを間違えて誤爆投稿してしまったり、という失敗をする可能性が高いからです。

しかし、SNSは人と繋がる大事な手段でもあります。SNSを通じて同じく発達障害のある人と繋がって居場所を作っている人もいるでしょう。ADHDのある人がうまくSNSと付き合うにはどうしたらいいのか、今回はADHD当事者である私の経験をふまえてお伝えできればと思います。

 

ADHDのある人がSNSを利用するとき、特に気を付けてほしい5つのこと

ADHDのある人には「衝動性」「不注意」という特性があり、その特性ゆえ、SNSで失敗しがちです。大きな失敗をしないための5つのポイントをお伝えします。

1.人の悪口を言うような裏アカウントは作らない

誰しも人の悪口や愚痴を言いたくなることがあるのは  よく分かります。しかし、それをSNSに投稿してしまうとトラブルのもとです。特にメインのアカウントの他に裏アカウントを作って誰かの誹謗中傷をするような投稿をしていると、ADHDのケアレスミスの特性から、裏アカウントと誤ってメインのアカウントで悪口を投稿してしまうケースがあります。誤爆に気づいて慌てて投稿を削除しても、誰かにスクリーンショットを取られていることだってあります。

これを防ぐためには最初から裏アカウントを作らないことです。 もし、メインのアカウントの他に複数アカウントを持っている  なら、メイン以外のアカウントはロム専(他の人の投稿を見る専用)にとどめておきましょう。

2.飲酒しているときに投稿しない

飲酒をしているときはつい気が大きくなって感情的な投稿や攻撃的な内容の投稿をしてしまいがちです。お酒を飲んでいるときはできるだけSNSを開かずに過ごしましょう。

3.投稿をする前にもう一度文面を読み直す

SNSは気軽に投稿できるツールですが、特にADHDのある人は投稿前にもう一度文面を読み返して、本当に投稿しても大丈夫な内容かどうか確認しましょう。誤字脱字対策にもなります。(私自身誤字脱字が多い方で、確認しておいてよかったということが何度もあります)

4.誰かと論争になりそうな投稿は避ける

世の中にはいろんな考え方の人がいるな~で済めばいいのですが、自分と違う考え方の人のことは絶対に論破したいタイプの人もいますので、自分が論争を求めないのであれば、誰かと論争になりそうな  (燃えそうな)投稿は控えましょう。

私自身、発達障害や精神疾患のある女性が風俗や水商売といった夜職を選ぶケースについて、自分の考えを投稿したところ、批判の声が相次ぎ、謝罪をして投稿を削除したことがあります。ネットとはいえ、その時は担当編集者さんに迷惑がかかってしまうのではないか、仕事が減ってしまうのではないかと不安にかられました。

5.正しい情報かどうか見極める

SNSにはデマや誤った情報も流れてきます。そのような情報に踊らされないよう、見極めることも必要です。条件反射的にリポストやシェアをする前に、まずはそのアカウントのプロフィールを見に行き投稿を遡って、それが本当の情報なのか確認してみてください。

快適なSNSライフを

SNSは楽しいツールで、そこから有益な情報を得ることもできます。しかし、一歩間違うと他人や自分を傷つけてしまう危険な面も持ち合わせています。投稿の際は細心の注意を払いましょう。ADHDの特性があると自覚している人は特に、上記を参考にして、快適なSNSライフを送ってくださいね。

 

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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