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就労継続支援A型・B型 それぞれの対象とメリットとは?

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「働きたいけど、障害や病気があるので会社で働くのは不安」と悩んでいる方はいませんか?障害があるために、企業などでの一般就労が難しい場合、その前段階として「福祉的就労」として訓練を行い、ステップアップを目指すための支援を受けることができます。その1つに「就労継続支援」と呼ばれる障害福祉サービスがあります。今回はこの就労継続支援について紹介したいと思います。

就労継続支援とは?

就労継続支援とは、一般の企業や事業所で働くことが困難な方のために、働く場を提供して、実際に働いていく中で一般就労に必要な知識を学んだり、技術の向上を目指したりするサービスです。この就労継続支援には雇用契約を結ぶ「就労継続支援A型」と非雇用で利用する「就労継続支援B型」があります。いずれも、生産活動を行い、その収益から利用者に対して給料や手当が支給されます。

全国に就労継続支援事業所が13,669か所(平成28年10月現在)ありますが、それぞれの事業所が特色もって活動に取り組んでいます。心身への負担が少ないことから紙箱折りや袋詰めなどの軽作業を行う所が多いのですが、レストラン、パンやお菓子のお店、農業など事業所によって活動内容は様々です。筆者の場合、最初に働いた作業所で軽作業をしていましたが、利用者の工賃を上げたいと思い、これまでにカフェ、花屋、ミニスーパー、ジュースバー、ネット販売などの事業所を立ち上げ、運営に携わってきました。

就労継続支援を利用するにはお住まいの市町村の障害福祉担当窓口に申請して、行政の担当者による調査と相談支援事業所によるサービス等利用計画の作成が必要になります。受給が決定すると障害福祉サービス受給者証が発行されます。そして、利用を希望する事業所と契約を結んで、サービスの利用開始となります。

就労継続支援A型の対象とメリット

就労継続支援A型は①就労移行支援を利用したが、就職に結びつかなかった方、②特別支援学校を卒業して就職活動をしたが、就職に結びつかなかった方、③働いたことがあるが、現在就労していない方を対象としています。

メリットは、雇用契約を結ぶので、最低賃金が保障されることや一般企業への就職者数が就労継続支援B型よりも多いことです。また、デメリットは、事業所の数が就労継続支援B型に比べて少ないことや65歳未満という年齢制限があることが挙げられます。

就労継続支援B型の対象とメリット

就労継続支援B型は①働いたことがあるが、年齢や体力的理由により一般企業で働くことが困難になった方、②50歳以上の方、または障害基礎年金1級を受給されている方、③上の2点以外で、就労移行支援機関などからの評価で働くことへの課題が分かっている方を対象としています。

メリットは、就労継続支援A型よりも労働時間の縛りが少ないので負担が少なくできる、年齢制限がない、事業所の数が就労継続支援A型よりも多いなどが挙げられます。デメリットとしては、雇用契約を結ばないので、賃金が安いということです。

就労継続支援A型もB型も利用期間の制限はありません。事業所の数はこの数年増加する傾向にあって、それに合わせて利用者の数も増えています。また利用料は、それぞれの事業所の規模やサービス内容によって変わってきますが、世帯の収入などによって月々の利用料負担額の上限が定められて、非課税世帯の方は無料で利用できます。どちらかの利用を考えている方は、体力や症状を考えた上で、見学や問い合わせをするのも良いかもしれません。

執筆者プロフィール

川田 祐一(かわだ ゆういち)

石川県金沢市生まれ。
同志社大学卒業。阪神淡路大震災直後、知的障害者施設で障害者と一緒に炊き出しや仮設住宅訪問など支援に取り組む。
宇治市社会福祉協議会を経て、兵庫・宝塚のNPOで障害者の就労支援に携わり、その後、起業し、10年で事業所を阪神地域で12か所まで拡大した。
現在はインターネットメディア「障害者ドットコム」の代表、大阪医専の講師を務める。

川田 祐一

執筆者プロフィール

川田祐一(かわだ ゆういち)

石川県金沢市生まれ。 同志社大学卒業。阪神淡路大震災直後、知的障害者施設で障害者と一緒に炊き出しや仮設住宅訪問など支援に取り組む。 宇治市社会福祉協議会を経て、兵庫・宝塚のNPOで障害者の就労支援に携わり、その後、起業し、10年で事業所を阪神地域で12か所まで拡大した。
現在はインターネットメディア「障害者ドットコム」の代表、大阪医専の講師を務める。

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