障害者の就職って難しい?~どのように就活をやっていけばよいのか

前回までのコラムこちら
障害者にとって「働く」とは
地域の資源を活用しよう!
障害福祉サービスと就労①〜就労継続支援とは?
障害福祉サービスと就労②~就労移行支援とは?

今回は障害のある人の就職活動についてお話したいと思います。障害者の就職者数は年々増えていて、雇用されている障害者は民間企業に約50万人、公的機関や独立行政法人などに約7万人(厚生労働省集計・2017年6月現在)になっています。65歳未満で障害者手帳を持っている人が200万人以上いることを考えると、就職したくてもできていない人がまだまだいると推測されます。逆に考えると、2018年4月より法定雇用率が0.2%増えて2.2%になりますし、これからも障害者の就職はどんどん増えてチャンスが広がっています。特に、これまで就職が少なかった精神障害者は法定雇用率の対象に加わるので、企業からのニーズは高くなっていきます。それでは、どのようにして就職するための能力を身につけて、就職活動を行っていけばよいのでしょうか?

前回までの記事で紹介しましたが、就労移行支援、障害者就業・生活支援センターなどの就労を支援する様々な支援機関があります。それらを活用して、就職するための能力を身につけ、就職活動を進めていくことが方法の1つとしてあげられます。社会人としての基本のことから履歴書の書き方、面接の練習などの実践まで、就職して働けていけるようトータル的なサポートを受けることができます。

職業紹介の窓口として、ハローワークに障害者求人専門の部門があります。民間でも障害者の職業紹介を専門に行っている会社があります。たくさんの求人情報を収集することができますし、相談や指導を受けることもでき、就職に向けての応援者となってもらえます。

求人には、障害者枠(障害者枠の就職は障害者手帳を持っていることが応募の条件)と一般枠があります。そして、障害のあることを相手企業に公開することはオープン、公開しないことはクローズと言われています。障害をオープンにして就労する場合とクローズで就労する場合にはそれぞれメリット・デメリットがあります。障害をオープンにするメリットとしては、勤務時間や業務内容など配慮してもらえ、困った時に助けてもらいやすくなります。また、支援者に企業との間に入ってもらい、業務や人間関係についての相談など長く続けて働くための支援を受けることも可能です。一方で、クローズで入社するとこれらの配慮や支援を受けることは難しくなります。また、障害のことを知られるのではないかと不安になり、隠すこと自体がストレスになってしまう場合もあるかと思います。

ただ、オープンで就職することにもデメリットがあります。一般求人に比べると障害者求人は求人数が少ないため、選択肢の幅が狭くなってしまいます。そして、同じ部署で同じ業務を長く行うケースが多く、昇給・昇進などの待遇・キャリアアップについては、一般枠に比べると水準は低くなってしまいます。また、企業によっては今もなお、いじめにあうことや偏見の目でみられてしまうことがあるかもしれません。そのような場合は、我慢せず、ハローワークや支援機関に早く相談して、状況を改善していきましょう。企業に選ばれる立場ですが、こちらも、企業側が障害に理解があるか?配慮をしてもらえるのか?という視点で選ぶ立場として、このようなことを未然に防ぎたいものです。

職場に長く定着できる可能性が高いのはオープンですが、どちらを選ぶかで働き方は変わってきますので、自分にとってどちらの方が合っていて働きやすいのかをよく考えて選択しましょう。また、今まで働くことができなかった空白期間の分を取り戻そうとして、一流企業のブランドや肩書きを意識しすぎるあまり、無理をしてしまいがちです。志を高く持つことは素晴らしいことですが、体調を崩してしまっては意味がありません。自分にはどんな仕事が合っているのか、自分にはどれくらい体力があるのかなど、自己分析を行い、将来を見据えることが大切です。

次回は障害がある中で、どのようにすれば、定着して長く働いていけるのかについて考えたいと思います。

執筆者プロフィール

川田 祐一(かわだ ゆういち)

石川県金沢市生まれ。
同志社大学卒業。阪神淡路大震災直後、知的障害者施設で障害者と一緒に炊き出しや仮設住宅訪問など支援に取り組む。
宇治市社会福祉協議会を経て、兵庫・宝塚のNPOで障害者の就労支援に携わり、その後、起業し、10年で事業所を阪神地域で12か所まで拡大した。
現在はインターネットメディア「障害者ドットコム」の代表、大阪医専の講師を務める。

川田 祐一
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